キーボードの日本語配列と英語配列の違いを解説

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パソコン作業を日常的に行っていると、「日本語配列と英語配列、どちらが自分に合っているのだろう?」と感じることがあるかもしれません。
本記事では、日本語配列(JIS配列)と英語配列(ANSI/ISO配列)の基本的な特徴、利用シーンに応じた使い分け、入力方式やエルゴノミクス(人間工学)の観点から、客観的な情報を提供します。

<このページの内容>
①日本語配列は日本語入力に特化したキー配置を持ち、英語配列はシンプルなレイアウトが特徴。
②利用シーンや目的によって、どちらの配列が適しているかが異なる。
③AutoHotkeyユーザーには日本語配列がおすすめ。


キーボード配列の基本理解

日本語配列(JIS配列)の特徴

日本帆キーボードイメージ

日本語配列は、日本のパソコン環境に合わせて設計されており、以下の点が特徴です。

  • 専用キーの充実
    日本語入力をスムーズに行うため、「変換」「無変換」キーや「カタカナ/ひらがな/ローマ字」キーなどが配置されています。
  • キー数
    一般的には約109キー程度が配置され、細かい記号入力や漢字変換に対応しやすい設計となっています。

実際、学校やオフィスでは日本語配列が標準的に使われており、慣れたレイアウトが作業効率の向上に寄与しています。

英語配列(ANSI/ISO配列)の特徴

英語キーボードイメージ

英語配列は、国際的に広く採用されているシンプルなレイアウトが特徴です。

  • シンプルなレイアウト
    日本語入力用の専用キーがないため、一般的な英語キーボードのANSIレイアウトは、通常101キーで構成されていますが、Windowsキーを2個とアプリケーションキーを1個を追加した104キの構成もあります。なお、ヨーロッパなどではISOレイアウトが用いられる場合があり、1ー配置に僅かな違いが生じることもありますが、基本的な特徴はシンプルさにあります。
  • 国際互換性
    世界中で共通のレイアウトとして採用されているため、海外製パソコンや各種デバイスとの互換性が高い点が特徴です。

プログラミングや海外向け文書作成など、英数字や記号の入力が中心となる用途では、このシンプルなレイアウトが利点となる場合が多いです。


利用シーン別の配列選びガイド

プログラミング・文章作成での違い

用途に応じて、適した配列は異なります。

  • 文章作成の場合
    漢字変換など日本語入力が多い作業では、日本語配列の専用キーが役立ち、直感的な操作がしやすいです。
  • プログラミングの場合
    アルファベットや記号入力が中心となるため、英語配列のシンプルな配置が、誤操作の防止や効率的なキー入力に寄与するケースが多いです。

ゲーム・クリエイティブ用途での選択ポイント

ゲームや映像編集、グラフィックデザインといった作業でも、キーボード配列の違いは影響します。

  • ゲーム
    反応速度や直感的な操作が求められるため、キー数が少なくシンプルな英語配列を好む傾向があります。
  • クリエイティブ作業
    複雑なショートカットを多用する場合、慣れた日本語配列でも十分に効率的な操作が可能です。

日本語入力システムの違い

変換キーと日本語入力のプロセス

日本語入力では、文字を入力した後の変換プロセスが重要です。

  • 日本語配列の利点
    変換キーが見やすい位置に配置されており、ひらがな入力から漢字への変換が比較的容易です。
  • 英語配列の場合
    変換専用のキーがないため、使用するIME(日本語入力システム)の設定やショートカットに慣れる必要があります。英語配列のキーボードで日本語を入力するには、Windowsでは「Alt」キーと「`」キーまたは「~」キーを組み合わせて切り替えます。


配列変更と学習のコツ

配列変更の影響とその必要性

長年使い慣れた配列から別の配列へ変更すると、最初は戸惑いやミスが生じるのが一般的です。

  • 学習コスト
    新しいキー配置に慣れるまでには、一定の時間と練習が必要です。
  • 実際の事例
    企業や学校で配列変更に伴う練習プログラムを実施し、徐々に新しい環境に慣れていく例が見られます。

特に会社と家で配列が異なるキーボードを利用する事は、避けるべきでしょう。
結論を言ってしまえば、日本の会社に勤めている人は、家でも会社でも日本語キーボードを使うのが良いです。会社では、自分の席以外にも会議室備え付けのキーボードを使う事もあり、それらキーボードは日本語配列になっているはずです。このような状況下で、自宅だけ英語配列キーボードを使うと、英語配列の癖が会社で出てしまい、入力ミスを頻繁に起こす事になります。

効率的な練習方法とおすすめツール

配列変更の負担を軽減するためには、効果的な練習が重要です。

  • オンラインタイピング練習サイトや専用ソフト
    変則キーの位置に慣れるためのツールを利用できます。
  • 継続的な練習
    毎日一定時間の練習を積み重ねることで、比較的短期間で新しい配列に慣れることが可能です。

製品選定のための情報と比較

製品レビューとおすすめモデル

キーボードには、メーカーごとに設計や機能が異なるモデルが多数存在します。

  • 日本語配列モデル
    変換キーや専用キーの配置に重点を置いた設計が多く、文章作成に適していると評価されています。
  • 英語配列モデル
    シンプルなレイアウトと統一されたキー数(一般的には104キー)が、プログラミングやゲーム用途で支持される要因となっています。

各種IT専門サイトやオンラインショップのレビューを参考に、ご自身の利用目的に合わせたモデルを選ぶとよいでしょう。

ノートパソコン内蔵キーボード vs. 外付けキーボード

内蔵キーボードと外付けキーボードには、それぞれメリットとデメリットがあります。

  • 内蔵キーボード
    持ち運びに便利ですが、キー間隔が狭い場合があり、長時間使用すると疲労を感じることもあります。
  • 外付けキーボード
    エルゴノミクス設計のモデルや、キー配置を選べる製品が多く、快適な作業環境を構築しやすいです。

AutoHotkeyとの組み合わせ

AutoHotkeyを使うなら日本語配列

AutoHotkey は、Windows上で効率的に作業を進めるための強力な自動化ツールです。詳細は次のリンクをご覧ください。


AutoHotkeyをお使いの方は、断然日本語配列のキーボードをお勧めします。日本語キーボードには「無変換」キーや「変換」キーが搭載されており、これらのキーはスペースキーの左右に配置していますので、ホットキーのコンビネーションとして非常に有効です。ちょうど親指の場所にある点もGoodです。よく使うスクリプトの起動やウィンドウの切り替えなど、頻繁に実行する操作をこれらのキーに割り当てることで、直感的かつ迅速にコマンドを発動できますし、親指で押下する事になるので指が疲れる事もありません。ユーザーにとってカスタマイズの自由度が大幅に向上するだけでなく、作業効率の改善にもつながります。

一方で、英語キーボードは、スペースキーが無駄に長い設計になっており(上記のキーボードイメージ図では表現できていませんが、実際の英語配列キーボードのスペースキーはかなり長いです。)、せっかくの親指が活躍できるキーが存在しません。
AutoHotkeyを活用したカスタマイズやショートカット操作を重視するユーザーにとっては、日本語配列のほうが機能性と操作性の面で大きなメリットを提供してくれます。


おわりに

本記事では、「キーボード 日本語配列 英語配列 違い」に関する基本的な情報、用途別の選び方についてできるだけ客観的な事実に基づいて解説しました。
これらの情報を参考に、ご自身の作業スタイルや目的に合わせたキーボードを選ぶことで、日々の作業効率やタイピングの快適さが向上することを期待しています。


【まとめ】

  1. 日本語配列(JIS配列)
    • 変換キーや専用キーが充実しており、一般的には約109キー程度で構成され、日本語入力に適している。
  2. 英語配列(ANSI/ISO配列)
    • ANSIレイアウトでは一般的に104キーで構成され、シンプルなレイアウトと国際互換性が特徴です。ISOレイアウトの場合は、国や地域により若干の違いが生じることがあります。
  3. 用途に合わせた選択
    • 文章作成、プログラミング、ゲーム、クリエイティブ作業など、使用目的に応じて最適な配列は異なります。
  4. 配列変更時の学習と練習
    • 慣れ親しんだ配列からの変更には学習コストが伴いますが、オンラインツールなどを活用することでスムーズに移行可能です。
  5. AutoHotkeyの観点
    • AutoHotkeyを使うなら、日本語配列をお勧めします。

ご自身に合ったキーボード選びの参考になれば幸いです。

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