あなたは毎日、数字入力ばかりしていますか?そうでないなら、キーボードの右側にあるテンキーは不要かもしれません。毎日使うキーボード、その選び方一つで作業効率や快適さが大きく変わります。特に、テンキーをあまり使わない方、プログラマーやデザイナー、あるいはデスクスペースを有効活用したい方にとって、従来のフルサイズキーボードは無駄が多いと思われます。本記事では、テンキーレスキーボードの特徴とメリット、デメリット、選び方などを詳しく解説します。この記事を読めば、きっとあなたにぴったりのキーボードが見つかるはずです!
<この記事でわかる事>
①テンキーレスキーボードは、テンキーを省略することで省スペース・携帯性向上・マウス操作時の負担軽減を実現し、作業効率を高めます。
②テンキーレスキーボードは、特にゲーマー、プログラマー、クリエイターにおすすめです。
テンキーレスキーボードの特徴とメリット
テンキーレスキーボードとは?
テンキーレスキーボードは、テンキー部分を省略したコンパクトなキーボードです。TenkeyLess Keyboardを省略してTKLと呼んだり、80%キーボードと呼ぶこともあります。標準的なフルサイズキーボードが104キー程度であるのに対し、テンキーレスは約87キー。これにより、マウス操作のためのスペースが広がり、作業効率が向上します。例えば、A4サイズのノートをキーボードの横に置いても余裕が生まれるため、資料を見ながらの作業も快適になります。
主な特徴:
- 省スペース: デスク周りがスッキリし、作業効率が向上。
- 軽量設計: 携帯性に優れ、ノートPCとの相性抜群。
- 操作性アップ: マウスとキーボードの距離が近く、手首や肩の負担が軽減。
数値入力作業が多くない方なら、テンキーレスに切り替えることで快適さを実感できるでしょう。特に省スペース効果は顕著で、小さなデスクでも効率的に作業できる点が支持されています。
テンキーレスキーボードのサイズ感は、次の図をご覧ください。フルサイズキーボード、テンキーレスキーボード、参考までに60%キーボードを並べています。かなりサイズに違いがありますよね?

メリット1 – デスクスペースの節約
フルサイズキーボードでは、テンキー部分がデスクを圧迫します。しかし、テンキーレスならその分を開放できます。その結果、以下のような利点があります:
- 作業エリアが広がる: モニターアームやタブレットを置くスペースを確保。大型のマウスパッドも使用可能になり、マウス操作の自由度が向上します。キーボードの右端にマウスをぶつける事故も減るでしょう。
- 整理整頓が楽に: マウスの置き場に悩むことがなくなり、デスク周りを常に綺麗に保つことができます。
特に、自宅と職場のデスクが小さめの方や、カフェなどの限られたスペースで作業する方には、大きな効果を実感できるでしょう。
メリット2 – 携帯性に優れる
一般的なフルサイズのキーボードの横幅は46cm程度ですが、テンキーレス(80%)キーボードだと幅37cm程度になりコンパクトです。37cmのサイズだと外に持ち出すにはまだ大きいですが、例えば会社で毎晩ロッカーに仕舞うような運用ならこのサイズでも可能になるでしょう。
またテンキー以外にも矢印キーまで省いた60%キーボードや65%キーボードは幅30cm程度になりますので、一般的なノートPCのバッグにも収納可能です。ノートPCと一緒に持ち歩くと、外出先でも快適に作業できます。
利用シーン:
- カフェやコワーキングスペース: 自宅以外での仕事環境を整える。(テンキーレスの80%キーボードより小さい60%キーボード推奨)
- 旅行中の作業: 出張や旅行先でも変わらないタイピング体験。(テンキーレスの80%キーボードより小さい60%キーボード推奨)
- 会社のフリーアドレス対策: 会社がノートパソコンを支給して、社員が席を自由に決められるフリーアドレスの体制になると、キーボードを席に置いて帰宅する事ができない。帰宅時に自分のロッカーに入るサイズのテンキーレスキーボードが求められる。
キーボードを移動させたい人にとっては、テンキーレスは非常に便利なアイテムとなるでしょう。
メリット3 – 手首や肩への負担軽減と作業効率の向上
フルサイズキーボードはマウスとの距離が遠く、肩や手首に負担をかけがちです。一方で、テンキーレスはその問題を解消します。マウスがより自然な位置に配置されるため、肩や手首への負担が軽減されるのです。また、キーボードのホームポジションからマウスへの移動距離が短くなるため、作業効率が向上します。例えば、頻繁にキーボードとマウスを切り替える作業(プログラミング、デザインなど)では、この効果を大きく実感できるでしょう。
- 長時間の快適性: タイピング時の手の動きが少なく、疲れにくい。
- 作業効率の向上: ホームポジションからマウスへの移動距離が短縮され、作業がスムーズに。
健康的な作業環境を整えたい方、作業効率を重視する方にとって、テンキーレスは最適な選択です。
テンキーレスキーボードのデメリット
テンキーレスキーボードには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。それは、テンキーがないため、数字入力が多い作業には不向きな点です。特に、経理業務やデータ入力作業など、大量の数字を高速に入力する必要がある場合は、テンキーがないことで作業効率が低下する可能性があります。このような場合は、外付けのテンキーを使用するか、フルサイズのキーボードの使用を検討することをおすすめします。
テンキーレスキーボードはこんな人におすすめ!
ゲーマーに最適
ゲーマーが使用するゲーミングキーボードは基本的にテンキーレスです。マウスの操作スペースが広がり、より正確で素早い操作が可能になります。
なお、ゲーミングキーボードを使うメリットには、次のものがあります。
- コンパクトな設計: デスクが狭くても快適。キーボードとマウスの距離が近くて効率的。
- RGBライティング: 視覚的にも楽しめる。アンチゴースト機能やNキーロールオーバーなど、ゲーミングキーボード特有の機能も重要です。
- ショートカット設定: 多くのゲーミングキーボードはショートカットを自由に設定できる。
eスポーツでもテンキーレスを採用する選手が多い理由は、この機能性にあります。
なお、ショートカット設定については、どのようなキーボードを使用していても、他の記事で説明しているAutohotkeyを使えばソフト的にショートカットを作成できますので、ご興味がある方は参照してください。
プログラマーやクリエイター
デスク環境を整え、作業効率を上げたいプログラマーやクリエイターにも最適です。例えばマウスを使わずにプログラムを組むプログラマーだとしても、設計書の作成時は右手がマウスとキーボードを頻繁に行き来します。同様にPhotoshopやIllustratorを使用するデザイナーにとっても、テンキーレスの省スペース設計と作業効率向上は、非常に魅力的です。
コンパクトな机を使用する人
狭いデスクや共有スペースで作業する方にとって、サイズが小さいテンキーレスキーボードは、邪魔にならずに便利です。勉強や仕事をする際も、机に本や資料を置くスペースを確保しやすいテンキーレスキーボードが適切でしょう。
基本的なキーボードサイズの紹介
キーボードにはフルサイズ・テンキーレス(TKL)以外にもサイズがあり、それぞれが異なる用途や利便性を提供します。ここでは、代表的なキーボードサイズについて、その特徴や利点を詳しく解説します。
100% キーボード(フルサイズキーボード)

フルサイズキーボードは最も一般的なサイズで、多くのオフィスや家庭で使用されています。このキーボードには次のような特徴があります:
特徴:
- テンキー: 数字入力が多い作業に便利。
- ファンクションキー: F1 から F12 までのキーが揃っています。
- 矢印キーと編集キー: ページ操作やカーソル移動に必須のキー(Page Up、Page Down など)。
メリット:
- フルサイズのレイアウトにより、幅広い用途に対応可能。
- テンキーが必要な経理作業やデータ入力に最適。
ただし、デスク上のスペースを多く占有するため、限られた作業スペースではやや不便に感じることもあります。
80% キーボード(テンキーレスキーボード)

テンキーレスキーボードは、フルサイズキーボードからテンキーを省略したサイズで、2番目に普及している形状です。
特徴:
- テンキーなし: サイズをコンパクトにしながら、フルサイズとほぼ同じ操作性を実現。
- 持ち運びが簡単: 軽量でスペースを取らないため、移動が多い人に最適。
メリット:
- デスク上でマウスを動かすスペースが広がる。
- 多くのモデルでマルチメディアボタンやダイヤルなど、フルサイズの機能が搭載されている。
テンキーを必要としないユーザーには理想的な選択肢です。
75% キーボード
75% キーボードはテンキーレスキーボードよりさらにコンパクトですが、操作性を保っています。
特徴:
- キーの密集配置: ファンクションキーやナビゲーションキーを隣接して配置。
- フルサイズに近い機能: TKLキーボードとほぼ同じ操作性を提供。
メリット:
- デスクスペースの節約が可能。
- 多機能でありながら、持ち運びにも適している。
ナビゲーションキーを頻繁に使う方にはおすすめのサイズです。
65% キーボード
65% キーボードは、ファンクションキーとナビゲーションキーの一部を省略した、さらにコンパクトなデザインです。
特徴:
- 矢印キーの維持: 小型化しながらも矢印キーは残る。
- 削除されたキー: ホームやページアップ/ページダウンなどのキーが省略される。
メリット:
- 小型でありながら、最低限必要なキーは保持。
- デスク上のスペースがさらに広がる。
ブランドによっては、このサイズの選択肢が増えてきています。コンパクトさを求める方には良い選択肢です。
60% キーボード

60% キーボードは、最も小型化された「通常のフォームファクター」を持つキーボードです。
特徴:
- 極限のコンパクト設計: ファンクションキー列、ナビゲーションキー、テンキーを完全に省略。
- キー組み合わせで操作: 一部のキー機能はショートカットでアクセス可能。
メリット:
- デスク上の占有スペースが最小限。
- 軽量で持ち運びが非常に簡単。
注意点:
- 矢印キーを頻繁に使うは特に慣れが必要。省略された矢印キー等の機能は、Fnキー+別キーのショートカット操作で代替する。
究極のコンパクトさを求める人にとって、60% キーボードは最適な選択肢です。
余談ですが、世の中には40%キーボードも存在します。しかしショートカット操作を極めた人でないと使えませんし、極めた暁には通常サイズのキーボードが使えなくなるという、キーボード業界の深淵です。
テンキーレスキーボードの選び方とおすすめモデル
選び方のポイント
テンキーレスキーボードを選ぶ際には、以下の点をチェックしましょう:
- スイッチタイプ: メカニカル(青軸、赤軸、茶軸など)やメンブレンの違い。青軸はカチカチとした打鍵感と音が特徴で、赤軸は滑らかな打鍵感、茶軸はその中間です。
- 接続方式: 有線か無線(Bluetoothなど)か、使用環境に合ったものを選ぶ。
- キー配列: 日本語配列(JIS配列)か英語配列(US配列)か。
- キーキャップの素材: ABS樹脂は安価で一般的ですが、長期間使うとキーキャップの文字が削れてしまいます。PBT樹脂は耐久性や耐摩耗性に優れています。
- エルゴノミクスデザイン: 長時間使用するなら、手首への負担を軽減するエルゴノミクスデザインのモデルもご検討ください。
- サイズと重量: 持ち運びを考慮する場合は軽量モデルが便利。
- カスタマイズ性: キーキャップ変更やプログラム可能な機能の有無。
おすすめモデル
ここでは、いくつかのカテゴリーに分けておすすめのテンキーレスキーボードをご紹介します。
高級モデル:
- PFU キーボード HHKB Studio: コンパクトながらも高機能なキーボードで、思考を中断させない操作性と、自由なカスタマイズ性が特徴です。ポインティングスティックとジェスチャーパッドにより、マウス操作も快適に行え、メカニカルキースイッチによる最高の打鍵感も実現しています。まさに、クリエイターにとって理想的なキーボードと言えるでしょう。
- PFU キーボード HHKB Professional HYBRID Type-S:静電容量無接点方式による最高の打鍵感と、Bluetooth接続とUSB接続の両対応による高い利便性が特徴です。Type-Sモデルは、さらに静音性を高めており、図書館やオフィスなどでも快適に使用できます。コンパクトなサイズながらも、プログラマーやライターなど、タイピングの質にこだわる人に最適なキーボードと言えるでしょう。

高コスパモデル:
- Logicool MX Keys Mini: マルチデバイス接続が可能なBluetoothキーボード。コンパクトで持ち運びやすく、静音性にも優れています。評価:価格の割に機能が充実しており、複数デバイスを切り替えて使用するユーザーに好評です。
- Ewin キーボードワイヤレス: 非常に安価ながら、必要十分な機能を備えたワイヤレスキーボード。薄型で軽量なので、持ち運びにも便利です。評価:とにかく安くテンキーレスキーボードを試してみたいという方におすすめです。ただし、打鍵感は価格相応で、耐久性も上位モデルには劣ります。
ゲーミング向けモデル:
- Logicool G PRO X: プロゲーマーも使用する高性能ゲーミングキーボード。GXスイッチと呼ばれる独自のメカニカルスイッチは、反応速度と精度に優れています。評価:カスタマイズ性が高く、好みに合わせてスイッチを交換できる点が魅力です。ただし、価格は高めです。
- SteelSeries Apex Pro TKL: OmniPointスイッチと呼ばれる独自のメカニカルスイッチを搭載し、アクチュエーションポイント(キーが反応する深さ)を調整できるのが特徴です。評価:非常に高速な反応速度を誇り、競技性の高いゲームにおすすめです。有機ELディスプレイによる情報表示も便利です。
ワイヤレスモデル:
- Keychron K2: MacとWindowsの両方に対応したワイヤレスメカニカルキーボード。豊富なカスタマイズ性が魅力で、様々なキースイッチやキーキャップに対応しています。評価:打鍵感の良さとカスタマイズ性の高さから、多くのユーザーに支持されています。バッテリーの持ちも良好です。
- Anker ウルトラスリム Bluetooth ワイヤレスキーボード: 薄型でスタイリッシュなデザインが特徴のワイヤレスキーボード。静音性に優れており、オフィスや公共の場での使用にも適しています。評価:携帯性とデザイン性を重視する方におすすめです。ただし、メカニカルキーボードのような打鍵感は得られません。
カスタマイズ可能モデル:
- Ducky One 2 TKL: 豊富な種類のキースイッチとキーキャップから選択可能。自分好みのキーボードを組み立てたい方におすすめです。評価:品質が高く、打鍵感にも定評があります。キーボード愛好家から特に支持されています。
- FILCO Majestouch 2 Tenkeyless: シンプルなデザインとしっかりとした作りが特徴のメカニカルキーボード。様々なキースイッチのバリエーションがあります。評価:長く使える定番のキーボードとして、多くのユーザーから信頼を得ています。
記事全体のまとめ
テンキーレスキーボードは、コンパクトさと機能性を兼ね備えた理想的な選択肢です。その特長を活かして、快適な作業環境を手に入れることができます。用途や予算に応じて、自分に合ったテンキーレスキーボードを見つけてください。この記事を参考に、あなたの作業効率と快適性を大幅に向上させましょう!あなたにぴったりのテンキーレスキーボードを見つけて、快適なタイピング環境を手に入れてください!